2010年4月26日(月)「しんぶん赤旗」
ドイツ政府 奨学金を増額
不況の中でも学生支援
大学生には半額無償
ドイツ政府はこのほど、連邦教育促進法に基づく奨学金を2%アップし、最高受取額(月額)を670ユーロ(約8万3000円)とすることを閣議決定しました。
不況で財政事情が厳しい中でも、国の将来を担う学生を大切にしようと21日に決めたもの。
この奨学金は連邦政府と州政府が負担し、大学生のほか、専門学校や職業学校の生徒、普通教育中等学校の上級学年生徒に支給。大学生には半額が無償で、半額が貸与。そのほかの生徒には無償支給です。支給額は教育機関の種類、両親と同居しているか、自分で家賃を負担しているか、奨学生自身の収入の有無によってことなりますが、連邦教育促進法は学生の最低限の金銭的援助を保障するとしています。
ドイツの大学生200万人中、この奨学金を受給しているのは約50万人で大学生の4分の1。受給者の半数は最高額を受給しています。
ドイツ政府はまた、優秀な一部の学生のみに支給する奨学金(300ユーロ)を新たに導入することも決めました。
一方、州が権限を持っている大学授業料導入については、反対の動きが強まり、現在、徴収する州の数は6(最大1学期500ユーロ)、しない州が10となっています。