2010年4月25日(日)「しんぶん赤旗」
馬券購入 携帯・ネット53%
お手軽賭博が拡大
日本中央競馬会(JRA)が23日公表した2009年の事業報告書で、馬券売り上げに占める「電話投票」(インターネットや携帯電話による馬券購入)の割合が前年よりさらに2ポイント上がり、53・5%に達したことが明らかになりました。売り上げ全体はさらに減少し、国民の競馬離れがすすむ中で、ネット・携帯利用の「お手軽賭博」頼りの体質がさらに強まっています。
同報告書によると09年の馬券売り上げの総額は2兆5982億円余。うち電話投票は1兆3896億円余で構成比は53・5%でした。初めて電話投票の割合が5割を超えた08年に続き、過半が電話投票を占める状態が定着しています。
売上総額は前年より1580億円減少。ピーク時の1997年の4兆162億円から12年連続して前年実績を下回り、09年の売り上げは97年比で65%にまで落ち込み、国庫への納付金は2667億円になりました。
その一方で、JRAが売り上げ拡大の切り札と位置づけているのが「いつでも」「どこでも」を売り物にする電話投票で、加入者数は97年の91万人から09年の370万人へと急増しています。
なかでも05年から始まったインターネット専業銀行を使う電話投票方式「即PAT(そくパット)」は、09年だけで約23万人増え、累計の新規加入者数が102万人に急拡大しています。
「即PAT」ではJRAが指定する4銀行(ジャパンネット銀行、イーバンク銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行)に口座があれば、携帯やパソコンを10分間程度操作するだけで簡単に入会でき、即日馬券購入が可能となります。
これらの銀行は、自行のホームページで、「即PAT」加入促進のキャンペーンをするなど、若い世代を中心に、新たな層を競馬に誘い込もうとしています。銀行の公共的責任にてらして、その是非が問われています。