2010年4月24日(土)「しんぶん赤旗」
温室ガス 国内措置で大幅削減を
先進国に達成迫る
世界諸国民会議が文書採択
【メキシコ市=菅原啓】47カ国の政府代表を含む129カ国・2万人が参加して、南米ボリビア中部コチャバンバ近郊で開かれていた「気候変動に関する第1回世界諸国民会議」が22日、閉幕しました。温暖化対策に消極的な先進国の態度を批判し、温暖化ガスの大幅削減を要求する最終文書などを採択しました。
過剰生産・消費に厳しい目
最終文書「コチャバンバ合意」は「今日、私たちの母なる大地は傷つき、人類の未来は危機にひんしている」として、歯止めない利益を追求する資本主義の生産・消費のしくみが環境破壊と気候変動の要因となっていると指摘。人類は、資本主義の道を歩み続けるか、自然との調和や生命の尊重の道をとるかの選択を迫られていると述べています。
温暖化を抑止するため、先進国が2017年までに1990年比で温暖化ガスの50%削減の目標を掲げ、排出権市場などのしくみを利用せずに国内の削減で目標を達成するよう要求しています。
また、温暖化対策に関する世界の諸国民の意思を示すため、「世界一斉投票」の実施を提起しました。
具体的な設問は明らかにされていませんが、現地報道によると「過剰生産と消費主義のモデル(資本主義)を廃棄することに同意するか」「戦争のための経費を地球環境保護の予算に回すことに同意するか」などの設問案が検討されています。投票日は来年の国連アースデーに当たる4月22日が有力です。
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