2010年4月24日(土)「しんぶん赤旗」
労災病院の統廃合を要求
「事業仕分け」第2弾始まる
政府の行政刷新会議による「事業仕分け」が23日、東京都内で始まりました。昨年に続く第2弾で、今回は独立行政法人が対象。この日は国立病院、住宅金融支援機構、国際協力機構など9法人27事業が検討されました。
国立病院、労災病院に対しては、「交付金なしで自己完結でやれるのか」(枝野幸男行政刷新相)と収益向上を求め、「利用率が低い病床は削減を」「公的病院と統廃合を」などの意見が相次ぎ、国立病院の診療事業の縮減、労災病院の事業縮減を決めました。このなかで国立病院機構側は、現在、公務員の職員を来年度から非公務員にする考えを表明。人件費削減をすすめる考えを示しました。
労働政策研究・研修機構が行っている、ハローワークが使う職業情報などについては「民間のほうが優れている」などとして廃止を決定。病院・診療所に対する福祉医療機構による長期低利融資事業については「他の金融機関でできる」との意見が出る一方で「営利の金融機関にはできない」との意見が出され、存続することになりました。
高齢者が利用する年金担保融資については「ヤミ金にひっかかることはもうない」など無責任な意見が出され廃止。住宅金融支援機構の住宅資金貸付や住宅融資保険も「民業圧迫になる」として廃止を決めました。
国際開発援助を行う国際協力機構に対して仕分け人から「海外赴任が少ない」との指摘が出されましたが、機構側は「人件費抑制のためできない」と発言。交付金削減が事業を困難にしている実態が明らかになりました。
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