2010年4月23日(金)「しんぶん赤旗」

雇用創出の促進求める

保護システム強化を

G20労働相会議が提言


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(写真)会見する米国のソリス労働長官(中央)とG20の雇用・労働相=21日、ワシントン(西村央撮影)

 【ワシントン=西村央】ワシントンで開かれていた20カ国・地域(G20)の労働・雇用相会議は21日、カナダで6月に開くG20首脳会議に向けた雇用創出促進などを求める5項目の提言をまとめ、2日間の日程を終了しました。

 米国のソリス労働長官は、閉幕後の記者会見で提言について、「労働者の権利や雇用の安定策を盛り込んだ。統合された世界経済のなかで、目標を達成していくには結束した努力が必要となる」と述べました。

 提言は、「経済回復と将来の成長を確かなものとするための雇用創出の促進」を第一に掲げ、経済回復が始まった後も雇用創出・維持に注意を払うよう促しました。

 すべての世帯が経済の恩恵を受けることができる「社会的保護システム強化の必要性」を強調。各国で高い失業率が続くと見込まれると指摘し、雇用機会を広げるものとして、「教育、生涯にわたる技能習得、職業訓練、技術向上戦略が優先事項とされるべきで、成長戦略にもつながる」としています。

 国際労働機関(ILO)の統計によると、2009年の世界の失業者数は2億1200万人で、失業率は6・6%に達しています。

 ソリス労働長官や各国労働・雇用相は21日、オバマ米大統領に提言を手渡しました。今後、各国で政府に対し、この提言を渡すことにしています。

 世界的な金融・経済危機以後、主要国に広がった雇用状況の悪化は個人消費を冷え込ませる要因となり、経済回復を遅らせています。閉幕会見でも、「G20首脳会議に向けた政策の提供で一致した」「危機の中でこそ結束した努力が必要」など、雇用状態改善が必須の課題との認識が示されました。





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