2010年4月23日(金)「しんぶん赤旗」
保育所避難用すべり台設置も地方任せ
子どもの安全丸投げ
「地域主権」法案 山下議員ただす
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日本共産党の山下芳生議員は22日、参院総務、厚生労働委員会の連合審査会で「地域主権改革」関連3法案について、子どもの命を守る保育所の避難用すべり台の設置責任を国は投げ捨てるのかと迫りました。
「地域主権改革」一括法案では、児童福祉施設の最低基準をなくし、保育所に設置義務を課している屋外傾斜路(すべり台)など防火・防災対策を都道府県の条例に委任します。
山下氏は、大阪府大東市にある保育所の避難用すべり台の写真パネルをかざし「保育士さんはひざの上に2人の幼児を抱き、背中に1人おんぶしてすべり降りる。乳児の手を引いての階段避難よりはるかに早い。子どもたちの命のすべり台の設置義務をなぜなくすのか」と迫りました。
長妻昭厚労相は「設置も含めて地方に任せていく」と答えました。
山下氏は「重大だ。子どもの施設の基準は建築基準法にない。保育所の最低基準にしかない。国は従うべき基準にすべきだ」とさらに追及。長妻厚労相は、地方に任せると重ねて答弁しました。
山下氏は「子どもの命と安全の問題を地方に丸投げする責任放棄だ。地方の財政事情は大変で、公立保育園もなくなっている。地域主権の名で子どもの命を危険にさらすようなことは絶対に許せない」と批判しました。
「地域主権」法案27日採決を決定
参院総務委理事懇
参院総務委員会理事懇談会は22日、「地域主権改革」関連3法案を来週の27日に採決することを決めました。
理事懇では、与党が27日に3時間の審議を行って採決することを提案したのに対し、自民、公明は賛成し、日本共産党は反対しました。
共産党の山下芳生議員は「子どもの発達や高齢者の福祉にかかわる基準が省令でどうなるのか資料を要求したがいまだ提出されていない」と述べ徹底した審議を要求しました。