2010年4月22日(木)「しんぶん赤旗」
障害者 新たな出発
基本合意の完全実現をめざす会結成
国との和解受け 安心できる社会へ
「総合福祉法づくりへの新たなスタートだ」―。障害者自立支援法違憲訴訟の和解を受けて21日、「障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会」(略称=めざす会)の結成集会が東京都千代田区の弁護士会館で開かれました。集会には原告や家族、支援者、弁護士ら290人がつめかけ熱気にあふれました。
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同訴訟の勝利をめざす会の三澤了・共同代表世話人があいさつし、「全国の原告71人が1人も欠けることなく、勝利のうちに和解で訴訟を終わらせることができた。これでたたかいが終わったわけではない。国の障がい者制度改革推進会議で総合福祉法の部会も始まります。障害者が地域で生き生きと暮らすことを支えるしくみをつくる、新たなたたかいの第一歩です。今後も力を合わせ、国に向けて粘り強く声をあげていきましょう」と呼びかけました。
この日、東京地裁の最終弁論に立った原告の家平悟さんが「最後に訴えたかったのは、(障害が重いほど負担が重くなる)応益負担(原則1割)をいますぐにもやめさせること。この国の福祉制度は家族による介護を前提にしているが、障害者が個人として生きる権利を絶対に獲得する決意です」と力をこめました。
竹下義樹弁護団長は「4月21日は、この間の訴訟闘争の結実であるとともに、今後も原告、めざす会、弁護団の3者の力の一体性を弱めることなく、新たな運動にとりくんでいこう」とのべました。
参加者は、基本合意の完全実現を求めて引き続き運動していく決意を込めた集会アピールを大きな拍手で採択しました。
合意にもとづき第1回定期協議
めざす会の結成集会につづいて、基本合意文書にもとづく第1回の定期協議(検証会議)が弁護士会館で開かれました。長妻昭厚生労働相が冒頭、「自立支援法にかわる新しい制度をつくっていくうえで一番重要なのは現場を知り、つぶさに把握すること、今後も必要な調査をしていきたい」とのべました。
各地の原告などから、応益負担の速やかな廃止、自立支援医療の負担の是正など多くの要望や質問が出されました。
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