2010年4月17日(土)「しんぶん赤旗」

ブラジル・ロ・印・中 新興国会議が声明

民主的世界秩序求める

金融規制強化も要求


 【メキシコ市=菅原啓】ブラジルの首都ブラジリアで15日、世界人口の42%を占めるブラジル、ロシア、インド、中国の新興4カ国(BRICs)の第2回首脳会議が開催され、共同声明を採択しました。4カ国は国内総生産(GDP)は世界全体の4分の1近くを占めます。共同声明は、民主的な世界秩序、国際金融機関の改革、金融規制強化の必要性など、発展途上国の声を代弁するもので、4カ国の存在感の大きさを改めて示すものとなりました。

 主催国ブラジルのルラ大統領は会議の中で、「あらゆる多国間機関の中で、われわれは不均等で機能不全となっているグローバル化にたいして進歩的な答えを追求していく」と述べ、4カ国が共同で国際政治・経済秩序の改革を進めていく決意を表明しました。

 インドのシン首相は、BRICsの枠組みは、「危機から誕生したものではないが、危機によって新たな重要性が加えられた」と述べ、経済危機の中で4カ国の重要性が高まっているとの見方を明らかにしました。

 共同声明は、「国際法および、すべての国の平等、互恵、協力、共同行動と集団的な決定参画に基づく、多極的で平等かつ民主的な世界秩序を支持する」と強調。世界的な問題や脅威に対処する上で「中心的な役割」を果たしている国連の重要性に触れ、国連をより効率的で代表性の高い組織にする民主的な改革を訴え、ブラジル、インド両国の安保理常任理事国入りを支持しています。

 また、世界経済危機に関しては、「金融市場の自己制御性についての信仰が砕け散った」と述べ、金融市場のあらゆる分野に規制と監視を強化する必要があると指摘。国際通貨基金(IMF)や世界銀行についても、影響力の強まっている途上国の声を反映させるため、先進諸国に偏っている投票権の割合を改革すべきだと主張しています。

 BRICsの首脳会議は昨年6月にロシアのエカテリンブルグで第1回が開かれ、定例化されました。来年は中国で第3回会議が開かれる予定です。





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