2010年4月17日(土)「しんぶん赤旗」

主張

「普天間」撤去

基地のない沖縄・日本へ連帯!


 東京で14日開かれた沖縄の米軍普天間基地の即時・無条件撤去を求める中央集会に続いて、18日には「移設」先としてあがっている鹿児島の徳之島での1万人集会が開かれ、25日には沖縄での超党派の県民大会が10万人規模を目標に開かれます。普天間基地の即時・無条件撤去の実現を求め、県内・国内での「たらいまわし」に反対する世論と運動が、急速に広がっています。本土と沖縄の連帯したたたかいで、「基地のない沖縄」「基地のない日本」を切り開いていくことが重要です。

「移設」論の行き詰まり

 鳩山由紀夫首相が自ら決め、再三アメリカに約束した「5月末」という期限を目前に、基地の「移設」を前提に、普天間基地問題を決着させるという鳩山政権の方針が、国民・県民の期待を裏切るものでしかなく、実現の展望もないことがいよいよ明らかになっています。本土でも沖縄でも、普天間基地の「移設」先としてあがったところではすべて反対の世論が圧倒的です。

 鳩山首相は核安保サミットで訪問したアメリカでのオバマ大統領との短い会談でも、「5月末」までの決着を約束しました。しかしアメリカからは、日本の案が地元の合意さえ得ていないと実務者レベルでの協議さえ断られ、にっちもさっちもいかない状態です。

 普天間基地はもともと、アメリカが軍事占領下で、沖縄県民の土地を不当に奪って建設し、拡張してきた基地です。その返還を求められたからといって代わりの基地をよこせと要求するのはめちゃくちゃです。そのうえ、政府が「移設」先探しに走り回るというのはどこから見ても通用しません。

 鳩山氏と民主党も昨年の総選挙では普天間基地を「国外」、最悪でも「県外」に移すと約束し、3党連立の合意では沖縄の「負担軽減」を明言しました。それなのに、政権発足後、普天間基地撤去を求めるアメリカとの本腰を入れた交渉をするどころか、沖縄県内や、すぐ近くの鹿児島の徳之島に「たらいまわし」するというのは、許されない裏切りです。

 鳩山政権が撤去を求める対米交渉に踏み出さず、県内や徳之島への「移設」にこだわるのは、日米軍事同盟に縛られ、沖縄の海兵隊が日本を守る「抑止力」だという呪縛(じゅばく)を抜け出せないからです。しかし、沖縄の海兵隊が日本など特定の地域を守る任務を持たず、世界中の戦争に「殴りこむ」ための「侵略力」であることは明らかです。日本を守る「抑止力」だなどといってごまかし、基地を押し付けようというのはまさに県民をばかにした態度であり、詭弁(きべん)は通用しません。

軍事同盟なくしてこそ

 いまや、沖縄でも本土でも米軍基地は要らないという声が、県民・国民に渦巻いています。4・14集会で沖縄の代表は、「普天間撤去を第一歩に基地をなくしていく」と強調しました。普天間を手始めに沖縄でも本土でも基地の縮小・撤去を実現し世界に異常な「基地国家」の現実を正すべきです。

 米軍基地は沖縄だけでなく三沢(青森)や横田(東京)、横須賀(神奈川)、岩国(山口)、佐世保(長崎)など全国にあります。「基地のない沖縄・日本」をめざすたたかいを全国ですすめ、日米安保条約=軍事同盟を解消する道に踏み出すことが重要です。





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