2010年4月13日(火)「しんぶん赤旗」
「誤廃棄」増える恐れ
放射線障害防止法改定案 宮本氏が不備追及
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衆院文部科学委員会は9日、放射線障害防止法改定案を与党と自公両党などの賛成多数で可決しました。宮本岳志議員は、国の管理体制の不備を指摘し、反対しました。
採決に先立つ質疑で宮本氏は、改定案で新設する「クリアランス制度」で、放射線濃度が基準値(年間0・01ミリシーベルト)以下の放射性物質が、厳格な保管管理が必要な「放射性汚染物」から除外され、産業廃棄物として処分できるようになる点を指摘。基準値を超える放射性汚染物が産業廃棄物として処分されるようなことは、「国民の安全を確保する点から、万が一もあってはならない」と強調しました。
宮本氏は、2007年に大阪府立の医療施設で放射性汚染物が一般廃棄物として捨てられていたことが判明したほか、リサイクル処理業者に持ち込まれた空き缶や鉄くずに高濃度の放射性廃棄物が混入されていた例が発覚しながら、実行者も特定されていない事実を提示。この状況で同制度を導入すれば、「誤廃棄」が増える恐れがあるとただしました。
川端達夫文科相は、「悪意でごまかそうという人まで全部排除できない」と答弁。宮本氏は、国が放射能汚染物から除外してお墨付きを与える以上、その安全を担保できる体制が必要だと指摘し、「制度そのものを根本から構築しなおすべきだ」と求めました。
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