2010年4月9日(金)「しんぶん赤旗」
米兵犯罪処理 法務省資料
閲覧制限を解除
国会図書館
米兵犯罪の処理に関する法務省マル秘資料を所蔵している国立国会図書館が、同資料の一般への閲覧を制限していた問題で、個人情報に関する部分を除いて制限を解除し、閲覧できるようにしていたことが8日までに分かりました。閲覧制限が解除されたのは、2月26日から。同資料に掲載されている、刑事裁判権に関する日米合同委員会の秘密「合意事項」の全文などを見ることができます。
同資料は、法務省刑事局が1972年3月に作成した「合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料」(「秘」指定)。国会図書館が1990年3月に古書店で入手し、公開していましたが、法務省の圧力を受けて2008年6月に閲覧禁止にしました。同年11月には同省の申し出で黒塗り処理されたものを閲覧できるようにしましたが、重要な記述は隠されたままでした。
国会図書館は、今回の閲覧制限の解除について「法務省からの申し出があったわけではなく、(図書館側の)自主的な判断で行った」と説明し、同省が認めたものではないことを明らかにしました。
ただ、解除に踏み切った理由については、同資料の閲覧禁止の取り消しなどを求めて提訴したジャーナリストの斎藤貴男氏と東京地裁で係争中であることをあげ、「裁判の中で明らかにしていく」としました。