2010年4月7日(水)「しんぶん赤旗」
主張
普天間基地撤去
今こそ沖縄と本土の連帯で
沖縄の米軍普天間基地の無条件撤去を求める県民・国民の願いに逆らって、県内・国内での「たらいまわし」にすぎない基地の「移設」に固執する、鳩山由紀夫政権への批判が高まっています。
鳩山政権は「移設」先として、沖縄県内のキャンプ・シュワブ陸上部や勝連半島(与勝半島)の沖合、鹿児島県の徳之島などをあげ、5月末までに決着させるとしています。事態は緊迫しています。沖縄と本土の連帯したたたかいで「移設」計画を撤回させ、普天間基地の無条件撤去を求めてアメリカと本腰を入れて交渉するよう迫っていくことが不可欠です。
「移設」ではなく撤去こそ
鳩山政権が持ち出し、3月末からアメリカとの本格的な交渉を開始したといわれる「移設」案は、いずれも基地による被害をなくし平和な暮らしを取り戻したいと願っている県民世論に反し、普天間基地を「国外・県外」に移し負担を軽減すると約束した民主党の選挙公約にもそっていません。
名護市のキャンプ・シュワブの陸上部に新しい基地をつくるという案は、断念に追い込まれたシュワブ沿岸部での新基地建設をわずかに移動させただけで、住宅地での騒音被害などがいっそうひどくなります。勝連半島のうるま市沖での新基地建設は3000メートル級の滑走路を複数つくるというもので、埋め立てによる漁業被害や騒音被害など住民の被害の面でも、近くの石油コンビナートへの墜落の危険など安全面でも最悪の案です。いずれも沖縄県民や自治体は被害を県内で「たらいまわし」するだけだと猛反対しています。
鳩山首相が「腹案」としているといわれる普天間基地の大半の機能を徳之島に移すという案も、地元で猛反発を受けているだけでなく、最後には勝連半島沖に巨大な新基地を建設して、集約していくことを狙っているともいわれており、とても沖縄県民の負担軽減になるものではありません。
だいたい普天間基地は、沖縄を占領した米軍が戦時国際法にも違反して不当に土地を奪い居座りを続けてきたもので、その返還を求められたら、「移設」先として代わりの基地をよこせというのは居直り強盗のような言い分です。海兵隊は、アメリカの戦争のための「殴りこみ」部隊です。住民の平和と安全を脅かす部隊に、基地を提供し続けるいわれはありません。
問題は普天間基地の「移設」先をどこにするのかではなく、無条件撤去を求めるかどうかです。鳩山政権が「移設」にこだわるから、問題解決の見通しが開けないのです。世界には対米交渉で基地を撤去させた例はいくつもあります。鳩山政権は基地の「移設」先を探すのではなく、無条件撤去をアメリカに求めるべきです。
4・14中央集会の成功を
「移設」先探しに固執する鳩山政権に対し、沖縄でも本土でも、強い失望と批判の声が上がっています。今こそその声を集め、鳩山政権に普天間基地の無条件撤去実現を求め「たらいまわし」には反対の声を突きつけていくときです。
東京では14日、「沖縄県民と連帯し、普天間基地の即時・無条件撤去を求める中央集会」が開かれます。沖縄では25日に、超党派の県民大会が予定されています。沖縄と本土が連帯し、たたかいを強め広げていくことが重要です。