2010年4月5日(月)「しんぶん赤旗」

政府検討「移設案」 まるで新軍事要塞

面積、普天間の2倍

沖縄・勝連沖 滑走路3本 嘉手納もしのぐ

「県内反対」決議踏みにじる


 米軍普天間基地の「移設」先として鳩山政権が検討しているとされる一つ、勝連沖埋め立て案(沖縄県うるま市)。「政治的裏切り。沖縄県民の生存権の侵害だ」。この住民の声は超党派で可決した県議会での「県内移設反対」決議を真っ向から踏みにじる同政権の県民不在への怒りだけではなく、埋め立て案のあまりの巨大さへの怒りです。(山本 眞直)


 勝連沖埋め立て案は、同県中部地区の経済関係者が政府に持ち込んだとされています。

 持ち込まれた図面によると、うるま市浜比嘉島の沖合1300メートルのリーフ内に1020ヘクタールを埋め立てて人工島を造成。3600メートル級の滑走路2本と3000メートルの滑走路1本を建設します。

 アジア最大といわれる米空軍嘉手納基地でさえ3600メートル級滑走路が2本です。ここに航空自衛隊那覇基地、米軍那覇軍港の機能を「移転」させるとしています。「毒を食らわば皿まで」とばかりの巨大な新軍事要塞(ようさい)の出現です。

 面積を比較すると――。V字形滑走路2本をつくる辺野古沿岸は160ヘクタール。勝連沖埋め立て案は、この辺野古案6倍の広さです。

 「世界一危険な基地」の普天間基地が480ヘクタールで、勝連沖案はこの2倍の面積です。

 一方、海域は日本有数のモズクの漁場です。全国のモズク消費量の5割を生産しています。「死活問題だ」と漁協はいち早く反対を決議しています。

 米軍基地のための勝連沖埋め立て問題は過去2度もちあがり、住民の反対でいずれも阻止してきました。当時、旧勝連町民の一人として奮闘した日本共産党の伊盛サチ子うるま市議は言います。

 「新基地予定地の目前の平安座島には、日本の6日分の石油が備蓄されている大型タンクが並ぶ石油コンビナートがあり、もしもここに米軍ヘリが墜落したら大惨事です。島袋俊夫市長もメッセージをよせた、うるま市民総決起大会の力をバネに25日の県民大会を成功させ、県内移設ノー、普天間基地の即時閉鎖、無条件撤去を実現させたい」

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(写真)普天間基地の「移設」先として政府が検討中とされる、うるま市勝連沖埋め立て案(円内)の計画図





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