2010年4月4日(日)「しんぶん赤旗」
メコン 共同管理探る
流域諸国 首脳会議が開幕
【ハノイ=井上歩】メコン川の水資源の共同管理について流域諸国が話し合うメコン川委員会(MRC)首脳会議が2日、タイのフアヒンで開幕しました。同委員会はタイ、ベトナム、ラオス、カンボジアで構成。3日まで高級実務者会議を開き、4、5の両日、初の首脳会合を開きます。
会議には中国、ミャンマーもオブザーバー参加。メコン川は現在、干ばつにより50年ぶりともいわれる水不足に直面しており、流域諸国で不漁や農業用水の不足など大きな被害が出ています。メコン川を生活基盤とする流域住民は6000万人にのぼります。
首脳会議では渇水問題のほか、河川へのダムの影響についても議題となる見通し。メコン川では中国がすでにダムを4カ所建設。タイの環境保護グループが水不足との関連を主張し、中国側は否定しています。MRCによると、中国は首脳会議にメコン川上流の水量データを提供すると表明しています。
メコン川ではさらに上流に4カ所、下流に11カ所のダム建設計画があり、環境保護団体などが住民生活や環境への影響を懸念しています。
高級実務者会議ではメコン川委員会の15年間の協力を総括。国境を超えた水資源管理についてや気候変動やインフラなどの課題を協議しました。