2010年4月4日(日)「しんぶん赤旗」
交渉拒否の英を非難
フォークランド問題 大統領が演説
アルゼンチン
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【メキシコ市=菅原啓】アルゼンチンのフェルナンデス大統領は2日、英国が実効支配を続けるフォークランド諸島(スペイン語名マルビナス諸島)の領有権を改めて強調し、交渉の呼びかけに応じない英国政府を「植民地主義」と厳しく非難しました。
2日は、アルゼンチンが武力で同諸島を占拠し、英国側の反撃にあって敗北したフォークランド紛争発生から28周年の記念日。アルゼンチン各地で犠牲者を追悼する行事が行われ、フェルナンデス氏は同国南部ウスアイアで開かれた中央式典で演説しました。
そのなかで同氏は、英国の領有権主張を「主権の行使ではなく植民地主義の行使だ」と指摘。国連総会が話し合いで解決するよう勧告しているのに、英国が無視していると批判しました。
また武力で問題を解決しようとした1982年の戦争を、当時のアルゼンチン軍事政権の利益をはかるものだったと断罪し、問題をあくまで外交的手段で解決する現政権の立場を明らかにしました。