2010年4月2日(金)「しんぶん赤旗」

主張

京都知事選

命と暮らし守る府政へ転換を


 京都府知事選が、11日の投票に向け、激戦を繰り広げています。選挙戦は、日本共産党も参加する「府民本位の新しい民主府政をつくる会」(民主府政の会)の門(もん)ゆうすけ候補と、自民、民主、公明などが推す山田啓二現知事との一騎打ちです。

門さんで府民本位の府政

 京都府知事選はこれまでもその時々の政治の流れを先取りする選挙として、全国の注目を集めてきました。昨年の総選挙で国民は自公政権を退場に追い込みました。「せっかく政権を代えたのに、自民と民主の相乗りなんて」―府知事選での相乗りに、府民の批判の声が高まっています。府知事選は、府民と日本共産党の共同で府政を転換し、動き始めた日本の政治を国民本位へさらに前に進める選挙であり、全国的な意義を持ちます。

 府政の「オール与党」に支えられた山田知事は、「(小泉改革に)私も同感だ」「強いものが勝つ。これは非常に成功した」といって、暮らしも地域の経済も、2期8年の間にズタズタにしました。

 この間、府内の市町村の国民健康保険の保険料(税)が相次いで引き上げられ、京都市では所得300万円の4人家族で年44万円にもなります。まさに高すぎて払えない異常事態です。山田府政は就任時に約7億2600万円あった市町村国保への補助金をゼロにしてしまいました。今年に入ってさらに12の自治体で引き上げが強行され、日本共産党とともに多くの保守系の議員も反対しています。府は、府立洛東病院も廃止しました。都道府県立の病院をなくしたのは、京都と東京だけです。

 西陣などの地場産業をはじめ京都の中小企業は、この10年間で5軒に1軒が廃業しています。ところが山田府政は、中小企業関連予算を2億4100万円、商店街関連予算を9300万円も削減してしまいました。その一方、2000人の非正規社員を解雇した企業に2億円、違法な「派遣切り」をした企業に3億円の補助金を出しています。まさにあべこべです。

 「救える命が失われるのは許せない」「いのちの平等」を掲げ、府政の転換をめざしているのが、医師出身の門候補です。山田知事を推してきた人たちからも、「人格において医療の実績においてそしてその社会観において非常にすぐれた方」との声が上がっています。

 各地の対話でも「山田さん、8年やってもよくならない。府政を変えなあかん」「保守の人たちの間では、今度は門さんですなと話してます」などの声が広がっています。商店街や福祉関係者の間でも、「表立ってできないが、応援しています」との激励が、次々と寄せられています。門陣営は、最後まで幅広い府民との共同を広げ、「オール与党」勢力を追い詰めようと、全力をあげています。

京都から「政治を前へ」

 京都府知事選は、この夏の参院選挙を前にした全国的にも重要な政治戦です。民主党は後期高齢者医療制度でも、沖縄の基地問題でも、期待を裏切っています。自民党は古い政治に逆戻りさせようとするばかりです。「民主党には失望したが、自民党に戻すわけにも行かない」―国民の切実な声です。

 京都府知事選で広範な府民と日本共産党が推す門候補が勝利すれば、国政も前へ動かせます。そのための全国からの支援も重要です。





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