2010年3月31日(水)「しんぶん赤旗」
米軍基地協定 廃棄を
ブラジル外相 コロンビアに要請
【メキシコ市=菅原啓】ブラジルのアモリン外相は29日、外国メディアとの記者会見で発言し、コロンビア政府に対し米軍への基地提供協定を廃棄して、隣国との協調の道をとるよう求めました。
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コロンビアが昨年米国と締結した協定は、コロンビア軍の基地と民間空港の米軍使用を認めるものです。ベネズエラやエクアドルなど近隣諸国からは、米軍の配備・展開の強化を警戒して、強い反発の声が上がっています。
アモリン外相は、米軍機が(南米大陸最南端の)ティエラデルフエゴ島とコロンビアの基地を往復するのは、麻薬対策のためだとしても「説明できない」と指摘。「米軍を国内に抱えるよりもベネズエラ、エクアドル、ブラジルと合意を結んだ方が、コロンビア国民はずっと安全になる」と述べ、米国よりも近隣諸国との合意を重視するよう呼びかけました。
ブラジルは、コロンビアの米軍協定は地域の安定を脅かすものだと、当初から反対の態度を取り、この問題を、南米諸国連合(UNASUR)の枠組みで解決することを提唱してきました。
アモリン外相は、米国との2国間の協議の場でも、この問題をひきつづき取り上げ、南米地域から米軍基地をなくすために外交努力を続ける決意を表明しました。
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