2010年3月29日(月)「しんぶん赤旗」
公設派遣村
恒常的支援が必要
ワンストップの会がシンポ
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国と東京都の「公設派遣村」利用者を支援してきた「年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会」(代表・宇都宮健児弁護士)は28日、「公設派遣村」の問題点と今後の課題を検証するシンポジウムを東京都内で開き、120人が参加しました。
主催者あいさつで宇都宮弁護士は、「当事者の生活再建の視点で、恒常的な支援体制をつくるよう国や自治体を変えていきましょう」と呼びかけました。
シンポジウムでは、全労連の井上久事務局次長、滝沢香弁護士、作家の雨宮処凛氏、ジャーナリストの鎌田慧氏をパネリストに議論しました。
井上氏は「支援を求めた人は、若者が増え、心身を病んだ人も少なくなかった。公的に寝場所と食事が用意されたことは一歩前進だが、生活相談で解決策を示せない問題があった」と指摘しました。
滝沢弁護士は「背景に、派遣法など人を使い捨てにする仕組みと社会保障の切り捨てがある。労働者を放り出し、内部留保を蓄積させた企業は問題ではないか」と発言しました。
「公設派遣村」利用者からは、「アパートに入ることができたが仕事が見つからない」「『第2のセーフティーネット』の住宅手当は手続きに手間取り、結局、生活保護を受けた」などの実態が出されました。
井上氏は「路上に放り出されるまえに、『派遣切り』させないための派遣法抜本改正が重要だ。また仕事が見つからない人のため、公的就労などの仕事おこしが必要だ」と強調。「今後は、年末年始に派遣村をやらなくてもいい状況をつくろう」と訴えました。