2010年3月29日(月)「しんぶん赤旗」
郵政事業 「公共の福祉第一の機関」に
民放テレビ 志位委員長が発言
日本共産党の志位和夫委員長は28日、テレビ朝日系番組「サンデープロジェクト」(最終回)に出演し、「郵政改革」問題、経済財政問題などについて、各党党首らと討論しました。
討論では、亀井静香郵政改革担当相が発表した「郵政改革案の骨格」をめぐって出席した閣僚間の不一致が浮き彫りになりました。
「骨格」は郵便貯金の預入限度額を現行の1000万円から2000万円に引き上げることなどが柱ですが、菅直人財務相は、「(骨格を『了解していない』という)総理の認識はそうだろう」などと発言。亀井氏が「そんなことを言っちゃダメだ」などと応酬し、閣僚間の混乱がしばし続きました。
これに対し、志位氏は「与党が混乱しているのは、与党・政府の方針そのものに矛盾があるからだ」と問題の本質を指摘。「今度政府が出そうとしている法案では郵貯・簡保のユニバーサルサービス(全国一律サービス)を義務付けるという。しかし、その一方で経営形態は分社化して株式会社にするという方針だ。株式会社というのは利益の最大化が目的であり、これは根本的に矛盾している」と述べました。
その上で志位氏は、郵政事業を「利潤第一の機関」にするのではなく、真にユニバーサルサービスを確保する「公共の福祉第一の機関」にすべきだと主張。「株式会社にしたら、そうはならない。もうからないところでも、きちんとユニバーサルサービスを保障することは公社でしかできない」と述べました。
また、国民から限度額の引き上げを求める声があるかのように語る亀井氏の発言に対して、志位氏は、「郵貯に預けているのは庶民の生活資金だ。1000万円を2000万円にしてほしいという声が国民から起こっているわけじゃない」と反論しました。
財源問題では、志位氏が、「(与党は)ムダを削るというが、一番『聖域』にして、手をつけなかったのが軍事費だ」と述べ、2010年度予算でも4兆7903億円と増額していることを指摘。歳入でも、例えば10%に引き下げられている証券優遇税制に手をつけていないと批判しました。
菅氏は「(政府税調の)専門家委員会の先生に、いよいよもう所得税だけではなく、法人税、消費税も含めて本格議論に入ってくださいといっている」などと発言。自民党の谷垣禎一総裁は、「法人税は下げる必要がある。その財源は消費税」などと語りました。