2010年3月28日(日)「しんぶん赤旗」

解説

築地市場移転

都議会民主党 また公約破り


 都立3小児病院の廃止に続いて、築地市場移転予算も賛成―。民主党が自民党と密室協議を重ねたあげくに、築地市場の豊洲移転予算に賛成する方針に転じたことは、都議選公約を再び投げ捨てるものにほかなりません。

 民主党は昨年7月の都議選で「築地市場の移転に…民主はNO 自民はYES」をマニフェストの最重点に掲げました。築地市場前での告示第一声で鳩山由紀夫代表は、「築地市場移転をやめさせるためには、たった一つ、都議選で勝つことです」と強調。多くの都議候補が「築地市場は現在地で再整備」と公約しました。

 都議選の結果、与党の自民党・公明党が過半数を割り、日本共産党、民主党、生活者ネット・みらいが過半数を占め、石原慎太郎知事の無謀な市場移転計画にストップをかけることができる議会構成となりました。

 猛毒物質のベンゼン、シアン化合物、ヒ素で高濃度汚染された豊洲地区への市場移転計画には、仲卸業者や消費者団体、日本環境学会など各団体が反対、集会やデモには日本共産党のほか民主議員も参加しました。

 移転問題が焦点となった今都議会で、日本共産党は新年度の中央卸売市場会計予算案から移転関連予算全額を削除する修正案、民主党は用地取得費だけ削除する修正案を各会派に提示。「土地購入費削除」の一点で共同すれば豊洲移転にストップをかけられる可能性が生まれました。

 ところが民主党は、修正案提出を阻止しようとする都側と、自民・公明両党との密室協議を繰り返し、予算特別委員会を2日間も空転させました。同党は、知事の「議会が現在地再整備を検討する場合、協力する」「議会の意思は尊重する」という答弁をうけ、修正案の提案をとりやめ、法的拘束力のない付帯決議をつけて予算案賛成に転じました。

 民主党の立場は、豊洲移転そのものをやめさせるのではなく、現在地再整備をそ上にのせればよいというものです。

 「食の安全を優先して」「築地再整備を」の都民世論を踏みにじり、移転予算案を可決する民主、自民、公明各党に都民の批判は免れません。(岡部裕三)





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