2010年3月27日(土)「しんぶん赤旗」
高校無償化 差別なくせ
井上議員 朝鮮学校除外を批判
参院委
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日本共産党の井上哲士議員は25日、参院外交防衛委員会で、高校授業料無償化から朝鮮学校を除外しようとする動きを批判しました。
この問題では、国連人種差別撤廃委員会の報告書(16日)が、「子どもの教育に差別的な影響を与える」との懸念を表明し、教育機会の提供で一切の差別をなくすよう勧告しています。井上氏は、勧告を重く受け止め、差別なく高校無償化を適用するよう求めました。文科省の高井美穂政務官は、「(勧告の)内容を精査し、対応を検討している」と答弁しました。
井上氏は、報告書が、朝鮮学校に通う子どもたちへの差別をもたらす「明白かつ重大な発言や行動」に懸念を示していると指摘。昨年末に京都市内の朝鮮学校門前で、あるグループが授業中に大音量で「スパイの子どもだ」などと罵声(ばせい)を浴びせた例を示し、政府の対応をただしました。
岡田克也外相は「差別的な言葉や嫌がらせ行為は看過しえない」「きちんと対応していく」と表明しました。
また井上氏は、「子どもの権利条約」が父母や子どもの文化の同一性や言語、出身国の国民的価値観などを尊重すると規定していると指摘。朝鮮学校で朝鮮史や朝鮮語の教育が行われていることが無償化適用の妨げになってはならないと主張しました。高井政務官は、同条約は当然尊重すべきだと述べました。