2010年3月27日(土)「しんぶん赤旗」

普天間「県内移設」 陸と海に新基地

「沖縄県民を愚弄」

政府案に怒り広がる


 米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「移設」問題で政府は26日、米政府や沖縄県との調整に入りました。政府内では、当面は米海兵隊キャンプ・シュワブ(名護市)陸上部にヘリ離着陸帯を造り、固定翼機やヘリの訓練を県外に移転、最終的には米海軍ホワイト・ビーチ(うるま市)沖合を埋め立て、新基地を造るという「2段階移設」案が有力な案として浮上。沖縄県内では、「県外・国外移設」という鳩山政権の公約に反するばかりか、基地機能の拡大・強化だとして「県民を愚弄(ぐろう)するものだ」という反発が広がっています。


 岡田克也外相は同日、都内でルース駐日米大使と会談、こうした日本側の検討状況を説明しました。

 北沢俊美防衛相も同日、沖縄県庁で仲井真弘多知事と会談。北沢氏は「われわれは(県外を含めた)分散移転ということで、いろいろな案を考えている」と説明。シュワブ沿岸部へ「移設」する現行計画は「極めてゼロに近い」と述べました。仲井真氏は「県外は強い要求だ。いい形でまとめてほしい」と答えました。

 会談後、北沢氏は記者団に「全部が片付いたら移設するのではなく、徐々に地域に(機能を)分散しながらやっていくというのが(平野博文)官房長官からの報告だ」と述べました。

 しかし、一連の案は、「移設先」にあがっている自治体がこぞって反対を表明しています。ルース氏は岡田氏との会談後、「米国政府は日本政府の考えを慎重に検討する。同盟国として引き続き協力しながら、解決を図っていく」との声明を発表しました。しかし、現行計画の履行を求める米側の立場は変わっていません。





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