2010年3月26日(金)「しんぶん赤旗」

保育所待機児 5800人増

01年以降最多 定員オーバーも増加


 認可保育所に申し込みながら満員で入所できない「待機児童」が2009年10月1日時点で4万6058人に上り、前年同月比で5874人(14・6%)増えたことが25日、厚生労働省の調査でわかりました。同省保育課によると、同じ集計方法をとり始めた01年以降で最多となり、深刻な状況が浮かび上がっています。

 同時点での保育所数は2万2952施設で、前年同月比で26カ所しか増えていません。定員が1万2855人(0・6%)の増加にとどまっているのに対して、入所児童数は1万7096人増。定員オーバーの児童数が2万108人から2万4421人へ増え、詰め込みが進んでいます。

 政府は01年以降の集計では無認可保育所に入所していて認可保育所への入所を希望しているケースを待機児童数に含めていないため、待機児童数はさらに多いのが実情です。

 政府が認可保育所の建設を怠り、定員の「弾力化」や営利企業の導入など安上がりの対策に頼ってきたため、子どもの詰め込みが加速すると同時に待機児童が急増しています。夫の失業や賃下げなどで妻も働かなければならないのに、子どもを預けられず育休明けで職場に復帰できないなど、深刻な事態です。

詰め込みでなく保育所増設こそ

 日本共産党の高橋ちづ子衆院議員の話 事態が急速に悪化しています。子育て支援では、子ども手当も、保育所などの現物給付も、車の両輪でなければなりません。国が責任をもって緊急に保育所増設計画をたて、思い切って保育所の増設へ重点化すべきです。

 国は待機児童対策を口実に、この4月から定員を超えた子どもの受け入れの上限を撤廃する通知を出しています。子どもの詰め込みを認めた規制緩和によって、認可保育園での死亡事故が急増しています。これ以上の詰め込みや、最低基準の緩和などを行おうとしていることは許されません。





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