2010年3月24日(水)「しんぶん赤旗」
パチンコATM 広がる撤去
「4〜5年で8000台」計画
説明文から削除も
パチンコ店内に銀行ATM(現金自動預払機)が設置されている問題で、設置準備中だったATMを撤去する動きが各地で広がっていることが23日、本紙の調べで分かりました。
パチンコホール業界最大手のマルハン(本社・京都市)では昨年11月の時点で、店内ATM稼働中7店舗、設置準備中2店舗でした。
その後、設置準備中だった2店舗のATMを撤去。東京・新宿店では、すでに据えつけられ、接続する直前だったATM機が取り除かれ、客の休憩スペースに変わっています。
パチンコ店へのATM設置事業を進めているトラストネットワークス社の親会社である東証1部上場の「インターネットイニシアティブ」(IIJ、鈴木幸一社長)は、投資家向けの情報開示文書で、トラスト社のパチンコ店向けATMの試行運営が「順調に推移」したとしたうえ「今後4〜5年間程度で約8000台のATMを導入していく」という事業展望を述べていました。
この投資家向け説明文は3月に入って書き換えられ、「4〜5年間で8000台」計画の記述は全面的に削除されました。
これについてIIJ広報は「定期的な更新にすぎず、従来の評価や事業計画を変更するものではない」と説明しています。
パチンコ店内ATMについては、本紙が昨年11月からキャンペーンを行うなかで、トラスト社と提携してATM設置をすすめていた地方銀行が、新規の設置を中止し、既存ATMをパチンコ店内から移設する意向を表明していました。
農林中金が、パチンコ店内ATM事業に協力しないよう傘下の農協や漁協に通知するなど、金融機関の中からも自主的な動きが起きています。
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パチンコ店内銀行ATM ATM運用会社のトラストネットワークス(東京・中央区、竹村理社長)が2007年から設置をすすめています。「客に過大な資金を使わせる」という批判がありますが、トラスト社や親会社のIIJは、1人1日3万円までという引き出し限度額があることをあげて「むしろパチンコホールの健全化に資する」と反論しています。