2010年3月23日(火)「しんぶん赤旗」
干ばつ深刻 5千万人被害
中国南西部
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【北京=山田俊英】中国南西部の雲南省、貴州省などで5カ月以上雨が降らず、深刻な干ばつに見舞われています。
被災者は民政省の集計で22日までに5100万人以上にのぼっています。
被害は四川省、広西チワン族自治区、重慶市にも及び、約1600万人と家畜約1100万頭の飲み水が不足しています。4万3000平方キロ以上の農地で作物に被害が出、うち9400平方キロはまったく収穫を見込めず、直接の経済損失は190億元(約2500億円)と推定されます。
貴州省はもともと水が豊富ですが、全88県中84県で22日まで226日間雨が降らず、1700万人以上が被災しています。
温家宝首相は19〜21日、「80年ぶりの干ばつ」といわれる雲南省を訪れ、曲靖市で生育不良の麦畑や干上がったダムを視察。対策会議を開いて飲料水の確保を最優先し、春の農作業に全力をあげるよう省幹部に指示しました。同省では水力発電所が機能せず、電力も不足しています。
中央気象台は今後も雨の降らない天候が続くと予想しており、被害の拡大が懸念されています。