2010年3月19日(金)「しんぶん赤旗」
表現の自由の萎縮招く
古館都議 青少年条例改定案に反対
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東京都が提案した青少年健全育成条例改定案の審議が18日、都議会総務委員会で行われ、日本共産党の古館和憲都議は同案への反対を表明しました。
古館氏は冒頭、「わが党は子どもの人権を守る立場から児童ポルノの根絶をめざす。その大道は国民的合意の形成と世論による包囲、民間の自主的な努力だ」と強調しました。
古館氏は改定案が「非実在青少年」(漫画、アニメ等の登場人物で18歳未満と認識されるもの)の性的行為を「肯定的に描写した漫画等」を規制対象としたことについて、恣意(しい)的に判断される余地が大きいと批判し、表現の自由の萎縮(いしゅく)につながりかねないと述べました。
古館氏は「漫画、アニメ等での青少年の性的描写が青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害するとする学問的知見にはどのようなものがあるか」と質問。浅川英夫都青少年・治安対策本部参事は「学問的知見は見いだせていない」と答弁しました。
古館氏は青少年健全育成条例は都民の自主的・自発的な努力によって青少年の人格完成を支援することを目的としていると指摘。改定案は唐突で都民の自覚と合意形成にはほど遠いと批判し、「今定例会で拙速に結論を出すことには断固反対」と述べました。
民主党は「改定案には懸念されることが多く、十分な審議を求める」と発言、自民党と公明党は「一日も早く成立させるべきだ」「早急に実施を」と述べました。