2010年3月19日(金)「しんぶん赤旗」
JR不採用問題の解決にむけて
党国会議員団 穀田対策委責任者が談話
日本共産党国会議員団JR不採用問題対策委員会の穀田恵二責任者は18日、「JR不採用問題の解決にむけて」と題する談話を発表しました。紹介します。
JR不採用問題が発生してから23年を経ているが、解雇された労働者と家族の願いがようやくかなえられようとしている。
3月18日、与党3党などが国土交通大臣にたいして、「国鉄改革1047名問題の政治解決に向けて(申し入れ)」を行った。その内容は、「和解金― 1人平均2406万5000円、雇用問題―JRへ200名位の採用要請、被解雇者の事業体への支援金10億円、その他の雇用で政府としても努力」となっている。これは、被解雇者と家族の最小限の要求であり、国鉄労働組合(国労)・全日本建設交運一般労働組合(建交労)をはじめ訴訟原告団や支援組織など「4者4団体」は「和解する方向で協議したい」とする共同声明を発表した。
日本共産党は、政府が政治解決に向けて誠実かつ迅速に対応し、要請された内容について全面的に応えることを強く求めるものである。
JR不採用問題とは、1987年4月1日、国鉄がJRに移行する際、国労・全動労(現・建交労鉄道本部)などに所属していた8000名近い国鉄職員がJR不採用とされて清算事業団に入れられ、このうち1047名が3年後の1990年4月に解雇されるという国家的不当労働行為の件である。当時の中曽根政権は、国会審議において「一人の職員も路頭に迷わせない」「所属組合による差別はあってはならない」と言明し、参議院では「違法行為はあってはならない」との付帯決議が採択されたにもかかわらず、その後の政府はこれらの約束をまったくほごにしてきた。労働委員会でも不当労働行為が認められたにもかかわらず、1047名の労働者が失業状態におかれ、その家族に苦しい生活を長期間にわたって強いてきた。子どもの教育や就職にも筆舌に尽くせない悲惨な影響をもたらした。23年もの歳月のなかで60名の当事者が、解決の日の目を見ることなくなくなっている。
JRを相手とした裁判で、最高裁は2003年12月、「仮に不当労働行為があったとすれば、国鉄清算事業団が責任を負う」との判決を出した。ILO(国際労働機関)も、日本政府に対して長期化した争議を解決するよう9度にわたる勧告を出している。国内の832の自治体から政府にたいし、本問題の早期解決を求める1228本の決議等も出されている。このように、人道的にも早期の解決をとの世論が広がり、解決にあたっては当事者が納得できる内容で、政治によって生まれた問題は政治によって解決を、ということが強く求められてきた。
日本共産党は、JR不採用問題の政治解決をもとめ、被解雇者と家族に心を寄せ、職場と地域、国会や地方議会でも奮闘してきた。約四半世紀に及ぶこの問題が、当事者が納得する内容で、早期に全面的に解決されるよう、さらに全力をつくすものである。