2010年3月17日(水)「しんぶん赤旗」
自由法曹団・全労連が訴え
派遣法 「抜け穴」「改悪」許すな
「報われぬ仕組みおかしい」
労働者派遣法の抜本改正が今国会の焦点の一つになるなか、自由法曹団と全労連は15日夜、労働者派遣法の政府改定案の抜け穴と改悪をただし、「人間使い捨て」を許さない抜本改正を実現しようと、東京のJR新宿駅西口で街頭から訴えました。
|
マイクを握った鷲見賢一郎自由法曹団幹事長は、「政府案は、登録型と製造業の派遣を原則禁止というが、『常用雇用』と『専門業務』が例外とされ、『2つの抜け穴』があいている。また事前面接の解禁と、直接雇用申し込み義務の緩和という『2つの改悪』もある」と指摘。「派遣労働者を使ってためこんだ大企業の内部留保を還元させ、雇用を安定させよう」と呼びかけました。
伊須慎一郎事務局次長は、「いま、労働者が『派遣切り』に声を上げ、裁判をたたかっているが、解決までに何年もかかる。すみやかに救済される法改正が必要です」と強調しました。
全労連の伊藤圭一調査局長は、「政府案では、派遣先企業が事前面接で雇用主のように労働者を選び、直接雇用の義務を負わず、好きなときに首切りができる。派遣への置き換えがすすみ、正社員の雇用もあやうくする」としました。
街頭宣伝と同時に、労働法律相談と派遣法アンケートも取り組みました。アンケートにこたえていた20代の男性は、「パソコンを操作する派遣で働いているが、『専門業務派遣』として、禁止の例外にされているとは、まったく知らなかった。働いている人が報われない仕組みはおかしい」と話していました。
宣伝に熱心に耳を傾けていた大学の法学部2年生は、「派遣は、労働者の生活を不安定にするのではないかと疑問だったが、よくわかりました。『派遣切り』にあった人の支援などに参加したい」とうなずいていました。
昨年12月に弁護士となり街頭宣伝に参加した上田月子さんは「『公設派遣村』入所者への生活相談に参加しました。労働者を路上に放り出す社会を変えたい」と話します。