2010年3月16日(火)「しんぶん赤旗」
ネット銀行 馬券を販促
買えば買うほど「豪華賞品」
大手銀も参入
日本中央競馬会(JRA)のインターネット・電話利用の馬券購入制度「即PAT」(そくパット)と提携しているネット銀行の「イーバンク銀行」と「ジャパンネット銀行」が、自行のホームページで、馬券購入を促進する宣伝、キャンペーンを展開していることが15日、わかりました。銀行の公共性が問われます。
「即PAT」は、この2行などに銀行口座を持っていれば、即日加入手続きができ、その日から馬券の購入ができる制度。JRAの馬券販売の柱として急拡大しています。
ネット銀行2行は、いずれも自行のホームページ中に競馬のレース写真などを配した専門のコーナーを設置。「普通預金口座×即PAT会員登録で、全国のJRA主催のレースがどこにいても100円から投票可能」(ジャパンネット銀行)と銀行口座開設と即PAT入会をセットで売り込んでいます。
イーバンク銀行は、「e―1グランプリ」と称して、払戻金額や賭けた金にたいする回収率で会員相互を競い合わせ、10万円の賞金を出すイベントを開催中。賭け金に応じて「豪華商品」が当たるキャンペーン、競走馬の写真をデザインした「競走馬キャッシュカード」を発行するなどしています。
通常の店舗を持たず、インターネットでの取引を専業で行っているネット銀行では、電子決済サービスで得る手数料が収益の柱。従来の銀行が手を出さなかったサービスを提供することで、口座数を拡大しています。
「即PAT」では、販売を拡大したいJRAと、競馬を取り込むことで顧客を拡大したいネット銀行の思惑が一致した形です。
ネット銀行の「成功」を受けて、2008年からは新たに三井住友、三菱東京UFJのメガバンク2行も「即PAT」に参入しています。
イーバンク銀行広報の話 中央官庁の管轄により競馬法等の行政法に基づき公の機関が運営している公営競技に対し、銀行として決済サービスを提供している。
ジャパンネット銀行広報の話 今後もお客様からのご意見、ご要望をいただきながら、サービス内容を検討したい。
ネット銀行 店舗網を持たず、インターネット上でのみ、サービスの提供を行う銀行で、2000年9月に事業免許を取得した「ジャパンネット銀行」が第1号。現在はインターネットサービス「楽天」の子会社となった「イーバンク銀行」が330万口座を超えて日本最大となっています。