2010年3月16日(火)「しんぶん赤旗」
高校無償化
朝鮮学校にも適用を
笠井議員要求 “韓国でも除外批判”
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日本共産党の笠井亮議員は15日、衆院拉致問題特別委員会で、高校無償化の対象から朝鮮学校を除外しないよう求めるとともに、政府の姿勢をただしました。中井洽拉致問題担当相は「拉致問題があるなかでどうか」などと述べ、同学校除外の立場をあらためて表明。一方、岡田克也外相は、高校課程に類するかどうかが無償化適用の判断基準であり、「外交上の観点で判断しない」と述べました。
中井担当相はこれまで、北朝鮮の拉致問題などを理由に無償化からの朝鮮学校除外を主張してきました。笠井氏は、「責任のない子どもたちに報復まがいのことをするのは論外だ」と批判しました。
笠井氏は、4日に韓国・ソウルで約50の民間団体が集会を開き、朝鮮学校を無償化対象に含めるよう求める声明を採択し、韓国紙「ハンギョレ新聞」が11日付社説で、日本の植民地支配の遺産である「在日同胞への各種差別」の撤廃を主張するなど、韓国でも朝鮮学校除外の動きが批判されていることを紹介しました。
これに対し中井氏は「(拉致問題を)一刻も早く解決してもらうために、日本人が当然とるべき行動をとる。当たり前のことだ」と、朝鮮学校に税金を使うことに反対の立場を表明。笠井氏は「『当たり前』ということ自体、拉致問題と高校無償化をことさらに結びつけ、人権侵害を助長しかねない」と述べたうえで、外交に絡めるべきでない問題を絡めれば、逆に拉致問題解決に障害をもたらすと指摘しました。
笠井氏は、「私たちは拉致問題を厳しく批判し、もっとも早くから解決に努めてきた。人権をいうなら、この問題を絡めるべきではない」と強調しました。