2010年3月16日(火)「しんぶん赤旗」

「もんじゅ」下請けが献金

パー券購入 福井県知事らに


 高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を運営する独立行政法人「原子力研究開発機構」の業務を請け負う3社が、地元の福井県知事や敦賀市長、自民党衆院議員らにパーティー券購入という形で1000万円を超す資金提供をしていたことが本紙の調べでわかりました。

 もんじゅは、1995年のナトリウム漏えい・火災事故後、14年以上にわたって運転停止中。同機構が今年度中にめざしている運転再開には、県と敦賀市の了承が必要なだけに、公正な判断をするうえで、資金提供の是非が問われています。

 本紙の調べによると、パーティー券を購入していたのは、高速炉技術サービス(敦賀市)、TAS(同市、旧敦賀原子力サービス)、NESI(茨城県ひたちなか市)。いずれも社長はじめ役員に機構OBを複数、受け入れています。

 政治資金収支報告書によると、3社は西川一誠知事の関連政治団体「西川一誠政経懇話会」が2003年に開いた「励ます会」のパーティー券を計120万円分購入していました。

 高速炉技術サービスとTASは、河瀬一治市長の資金管理団体「グローバルビジョン」の2000年、04年、06年、08年のパーティー券計282万円分を購入。敦賀市を含む福井3区選出の自民党・高木毅衆院議員が代表の政党支部と資金管理団体「21世紀政策研究会」は、3社に計354万円分(98〜06年)、購入してもらっています。

 このほか、3社は、05〜08年に自民党敦賀市支部の「政経セミナー」など計263万円分購入。県内の国会議員や首長を支援する財界関係者の政治団体「福井経済産業政治連盟」は、06年の「設立記念の集い」名目のパーティー券を、高速炉技術サービスとTASに計66万円分、購入してもらっています。

図

許されぬ税金還流

吉井議員が質問主意書

 日本共産党の吉井英勝衆院議員は9日、「高速増殖炉『もんじゅ』に関連する政治資金の支出に関する質問主意書」を提出しました。

 このなかで、「『もんじゅ』関連だけでも、約2兆円の国費が投じられてきた。その一部がいわゆる天下り企業を経由して、知事や市長や国会議員の政治資金として流れることは、税金の還流として断じて許されない」と指摘。「政府として問題の解明に取り組む立場に立つのか」とただしています。



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