2010年3月14日(日)「しんぶん赤旗」
核兵器のない世界へ
市民の1割署名へ知恵集め
市長も賛同 公民館に回収箱
千葉・白井
千葉県北西部に位置する人口6万人の白井(しろい)市では、「核兵器のない世界を」国際署名白井市連絡会が昨年11月に結成されました。5月のNPT(核不拡散条約)再検討会議に人口の1割、6000筆の署名をなんとしても提出しようと、署名した横山久雅子市長をはじめ、“市ぐるみ”のとりくみになっています。その広がりを現地にみました。(内野健太郎)
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「ニューヨークにもっていく核兵器廃絶の署名です」―。平日の午後、千葉ニュータウンの一画、集合住宅へと続く私鉄駅前に「核兵器のない世界を」署名を呼びかける声が響きます。
「市長さんにも推薦の言葉をいただいているんですよ」と呼びかけると、市民と対話もはずみます。
現在集まった署名は約3200筆。街頭宣伝に参加している無所属の市議、福井みち子さんは、「『核兵器のない世界を』署名を訴えるのは当然」とのべ、「市の行事のなか、平和事業を位置づけるよう市議会でも頑張りたい」と語ります。
昨年結成時には、千葉土建や年金者組合、新日本婦人の会、平和委員会などのメンバーが集まりました。
署名付きビラ
「目標の署名を集めるために、みんなで知恵を出し合っているんです」と、連絡会の福島義明さんが語ります。
まずとりくんだのが、広範な人たちから賛同のメッセージをもらうことでした。
横山市長は、「この署名は、平和市長会議をはじめ、いくつかの団体で行われていますが、白井市の平和都市宣言の趣旨からも同意でき、私個人としても賛同し、署名しました」とメッセージを寄せてくれました。
連絡会では、さっそく市長の「私も署名しました」とのメッセージを掲載した署名付きのビラを作製。このビラ1万8千枚をニュータウンに全戸配布。それ以外の地域には、新聞におり込みをしました。
また、市長がメッセージをよせてくれたおかげで、公民館や文化センター、福祉センターなど公的施設に署名の回収箱を設置することも可能になりました。さっそく連絡会は手作りの回収箱を市内9カ所に設置しました。
さらに署名を広げるために、「いろんな団体をまわろう」とさっそく行動です。商工会、農協、福祉協議会、共同作業所などに協力を申し入れました。議員にもメッセージを要請。賛同を表明した商工会では再度、ポスターや署名用紙を届けました。
月に1回の連絡会の集まりでは、署名行動についても、さまざまなアイデアが飛び出します。「宣伝カーを運行してスポット宣伝をしよう」「商店も回ってみよう」と。
街頭での署名活動も今後、「高校生が下校する時間帯はどうか」「オープンしたばかりの大型店の前でやりたい」と次々にアイデアが出ます。
空襲体験から
舞踏・浅香流の名取、石川てつ子さん(78)は、地域の「センターまつり」に出演した際にも受付にポスターを張り出し、「核兵器のない世界を」署名を広げています。
「私も亡くなった夫も東京大空襲を体験しました。隅田川に浮かぶ大量の死体は“地獄絵”として15歳の目にこびりついています。夫は『肉親の骨を返してくれ』といい続けました。二度とこんな思いを繰り返さないために核兵器廃絶を訴えたい」
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