2010年3月10日(水)「しんぶん赤旗」
子育て支援を同時に
「子ども手当」 参考人が意見陳述
高橋議員質問
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衆院厚生労働委員会は9日、子ども手当法案について参考人質疑を行いました。名古屋経営短期大学の古橋エツ子学長、三重県の山中光茂松阪市長、全日本教職員組合の関口てるみ養護教諭部長など6人の参考人が意見陳述しました。
古橋氏は各国の制度を比較。出生率の向上は子ども手当だけでは実現できないとして、子育て世帯の女性が就労しやすい条件整備や男性も子育てしやすい環境づくりが必要だと述べました。
関口氏は学校の保健室を通して見えてきた実態として、父子家庭の児童が学校で高熱を出したが父親は仕事で迎えに来られず、保険証もないので「受診させないでくれ」といわれた(滋賀・小学校)などの事例を報告。「子どもの貧困は深刻だ。子ども手当の支給を子育て支援に位置づけ、子育ての土台の抜本的強化とともに行うべきだ」と求めました。
日本共産党の高橋ちづ子議員は山中氏に「保育所の運営費を国から地方に移してその分を手当の財源にするとしており、現物給付への国の責任が後退するのではないか」と述べ、見解をただしました。
山中氏は「この間の総務省の説明によれば、現物給付への国の助成はなくなってしまう。これでは地方格差が広がると思う」と答えました。
また、高橋氏は関口氏に「子ども手当だけでは格差の拡大にならないか」と質問。
関口氏は「仲間のあいだからも親に配ったのでは子どもに渡るのか心配の声もある。医療費の無料化や給食費の無償化なども同時に実現してほしい」と答えました。