2010年3月10日(水)「しんぶん赤旗」
名古屋市長が市議半減案提出
首長と議会 「二元代表制」否定狙う
名古屋市の河村たかし市長(元民主党衆院議員)は9日、議員定数の半減とこれにともない少人数区化するなどの条例案を議会提出しました。議会の河村総与党化をねらい、首長と議会の「二元代表制」の健全な緊張関係を喪失させていくものです。
市長の提案は、市議定数を現行の75から38に削減し、区割りでは16選挙区のうち過半数の9区を定数1ないし2とするものです。「二元代表制」のもとでは、自治体の首長と議会を住民がそれぞれ直接選んで、首長と議会が相互の抑制と均衡(チェック・アンド・バランス)によって、いずれかの独善と専制政治をふせいでいます。少人数区化を導入すれば、首長とそれを支持する議員が同時に議会も独占し、議会のチェック機能の喪失につながります。
河村市長は記者会見で、1人区の小選挙区を設定したことにふれ「県議の選挙区に準じ、市民に分かりやすい形を優先した」と述べました。
1、2人区の導入は議席に結びつかない「死票」を大量に生みだし、市民の大切な参政権を狭め、多様な民意を切り捨てるものでもあります。
日本共産党の田口一登議員は、議員定数半減案について議案質疑にたち、「『議会改革』に名を借りて民意を切り捨て、民主主義を破壊し、強権政治をねらうファッショ的なものだ」と批判しました。
民主党議員も質問にたち、市長提案には道理がないと、批判的な見解を述べました。