2010年3月4日(木)「しんぶん赤旗」
電子制御 結論出ず
米公聴会 第三者機関調査へ
トヨタ
米下院の二つの委員会(2月23、24日)と、上院委(2日)の計3回の公聴会では、トヨタ車のリコール(回収・無償修理)決定の遅れや、家族4人の死亡につながった高級車レクサスの暴走原因などが議論されました。しかし、暴走の原因として疑われた電子制御の欠陥については、結論が示されず、今後、第三者機関の調査にゆだねる方向です。(ワシントン=西村央)
「意図しない」急加速と電子制御の問題では、豊田章男社長が2月24日の公聴会で、「電子スロットは異常があれば燃料供給を停止してエンジンがストップする安全第一で設計している。しかし、現実に事故が起き、再現テストを重ねたが、今までトヨタ社内のテストでは問題はない」と証言していました。
2日の証言でも、技術開発担当の内山田竹志副社長が「電子制御の欠陥が原因ではないと信じる」と述べています。トヨタ側は今後、第三者機関の判断にゆだねる方向です。
公聴会を通じて焦点となったことの一つは、大規模リコールを回避したことにより1億ドルを節約したというトヨタの内部文書。2日の公聴会で、品質保証担当の佐々木真一副社長は社内のリコール決定の体制について、「品質保証と消費者サービス部門で決定される」とし、節約などと関連して議論されるものではないと述べました。
米国の運輸問題の監督機関である道路交通安全局(NHTSA)の元職員が2人、米国トヨタに雇用され、リコール問題などでNHTSAとの協議の担当となった疑惑も示されました。佐々木副社長は2日、この問題で「NHTSAと不健全な関係での懸念があるのは残念」と述べただけで、事実関係には触れず、「今後、透明なものにしていく」としました。
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