2010年3月2日(火)「しんぶん赤旗」
「名前はいままで生きた証し」
「選択的夫婦別姓」へ切実な願い
新婦人の緊急アンケート結果を見る
結婚時に希望すれば夫婦それぞれが結婚前の姓を名乗ることができる「選択的夫婦別姓制度」。政府は、制度導入へ法改正案を国会に提出する準備をすすめています。女性の地位向上をかかげて活動している新日本婦人の会(新婦人)がとりくんだ緊急アンケート調査の結果から、切実な願いを見てみました。
改姓ですごい違和感、ストレスも
政府は制度の導入実現を
「二つの姓」に「疲れる」様子も
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「事実婚にするのか、通称婚にするのか、私の名字に夫がかえるのがいいのか、本当に迷いました」とアンケートに記したのは36歳の女性。「名前はただの名称ではなく、今まで生きてきた証し」であり、「自分自身そのもの」。結婚によって姓を変えたくはありませんでしたが、「その思いは夫(となる人)も同じ」。話し合いの末に、将来、別姓が選択できる制度ができた暁には「別姓にしよう」と約束し、夫の姓で婚姻届を出しました。
旧姓を通称使用にして6年。しかし、病院でも銀行でも夫の姓で呼ばれ、「すごい違和感とストレス」があるとつづっています。
この女性のように、通称使用を選んだものの、健康保険証や免許証、金融機関の通帳など、法律婚の姓の使用を要求される場合が多く、通称と婚姻届名の「二つの姓」に「疲れる」様子も多数記されています。
ケアマネジャーをしているという38歳の女性は、結婚時の改姓により「自分が自分でないような気持ちになり」、2年前、結婚前の姓を貫くために、書類上の離婚をしました。夫の姓になることは、「夫方に吸い込まれるような感じがした」と書いています。
姓を変えたくないと、婚姻届を出さずに事実婚にするカップルもあります。43歳の女性は、30代の終わりに結婚。結婚後より結婚前の人生が長くなるような気がして、「今さら名前を変えたくないと思いました」。
しかし、事実婚であるための不利益もあります。「共済組合からのお祝い金などももらえず、相続が認められません」と述べています。
20代から70代の幅広い年齢層が
新婦人の選択的夫婦別姓制度についての緊急アンケートは、今年1月20日までの1カ月間、新婦人しんぶん紙上で募集。31都道府県115人からファクスやメール、郵便で寄せられました。
20代から70代まで幅広い年齢層から寄せられ、姓についての思いをつづっています。79歳の女性は、「自分自身は結婚と同時に夫の姓になって一生がすぎたけれど、選択は自由であるべきだし、そうなるべきだと思う」。娘は、生まれ持った姓を変えたくないと事実婚を続けていると記しています。
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世代の違い超え強い関心と要望
新婦人中央本部副会長 笠井貴美代さんの話
世代の違いを超えて、また、仕事を持っているかどうかにかかわらず、ひろく女性たちに選択的夫婦別姓制度導入への強い関心と要望があることが示されました。新政権がこの声にこたえて、今国会で制度を実現させるよう女性たちの切実な思いを伝えていきます。
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