2010年3月2日(火)「しんぶん赤旗」
派遣化 撤回させた
NTT東―北海道 女性社員が契約更新
NTT東日本―北海道(札幌市)が契約社員700人の派遣社員化を強行している問題で、1日、派遣化を拒否していた30代女性に対し、会社が4月以降の雇用更新を申し入れました。
同社は、直接雇用の契約社員をいったん解雇し、NTTグループの派遣会社、NTT北海道テレマート(札幌市)に転籍させています。昨年12月末までに転籍しなければ、契約更新せず3月末で雇い止めにすると迫っていました。
契約社員のほとんどは、1年契約を5〜8年も反復更新しており、判例でも雇い止めは許されません。
派遣社員化を拒否していた女性は、5年9カ月も雇用されていました。昨年12月の出社途中、北海道労働組合総連合(道労連)と通信産業労働組合が配布していたビラを読み、雇い止めは許されないことを知り、転籍「同意」を撤回。札幌地裁に雇い止めの中止を求めて仮処分申請していました。
雇用更新の契約書を受け取った女性は「雇用が継続されたのはよかった。これまでどおり働き続けられるようにしてほしい」と話しています。
通信労組北海道支部の新(あたらし)健治委員長は、「労働者が『こんなのおかしい』と勇気を出して立ち上がった成果です。会社は、この女性以外に『同意』していない10人の雇用も継続すべきです。私たちも、心ならずも『同意』した労働者に、撤回して雇用継続を求めようと呼びかけていきたい」と語りました。
この問題を国会でとりあげた日本共産党の大門みきし参院議員の申し入れ(2月23日)に対し、同社の福士哲樹総務部長は「雇用更新の方向で検討している」と答えていました。