2010年3月1日(月)「しんぶん赤旗」

列島だより

核兵器のない世界へ

平和の一筆 私も

NPT再検討会議まで、あと2カ月


 5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議の開催まであと2カ月余。核兵器廃絶の声をいっそう広げ、「核兵器のない世界を」署名を会議の開かれるニューヨークに届けようととりくみが強まっています。大阪と岡山の例を紹介します。


どこでも署名

大阪府の新婦人

 新日本婦人の会大阪府本部(川本幹子会長)は、缶バッジ「平和のつばさ」(デザイン・成瀬政博さん)を1万個普及し、「若い世代のピースアクション・スタートデー」を開くなど、署名目標20万にむかって63支部がとりくみをすすめています。

 ニューヨークでのNPT再検討会議の国際行動に、34人が参加します。代表を派遣する支部も、しない支部も「100筆・300筆・500筆チャレンジャー」になったり、班として地域の女性団体や自治会に申し入れています。

 高校前やスーパー前、街頭宣伝など、人が集まるところどこでも署名行動。一軒一軒訪問し署名を呼びかけている班もあり、積み上げた署名は9万7060になりました。

 署名目標6240を突破しカンパ目標も達成した住吉支部。1月の支部委員会で正森真由美さん(43)が「高校生の娘が昨年の原水爆禁止世界大会に参加し、思いを熱く語ってくれました。親として感動し、世界の人びとが核兵器の廃絶を望んでいることを、核兵器に固執する人たちにみせつけたい。ニューヨークに行きたい」と決意を語りました。

 支部のみんなは「若い人が行ってくれてうれしい。目標を達成し、カンパも集めよう」と、12人で実行委員会をつくりました。宣伝、ニュース、財政、マネジャーを分担。マネジャーは班や小組の集まり、他団体の会議日程を聞いて、正森さんが訴えに行くスケジュールを調整します。

 いま11班と他団体7カ所を訪問し、核兵器をなくしたい思いや署名、カンパを訴えています。「そら、ええことや。カンパするで!」と他団体からもカンパが寄せられています。

 正森さんはPTAで訴え、すぐ30筆、30枚の用紙を預かり集めてくれた人もでてきました。正森さん出身の帝塚山班はいち早く目標を達成。「カンパもようけ集めるで〜」と何と10万円以上寄せられました。先日は、地元の小学校へ申し入れ校長、教頭も署名にサイン。

 阿修羅班の会員は「缶バッジたくさん売るよ」と30個売ってくれました。

 苅田班は遅れを取り戻そうと相談、会員から「預かった署名はIさん、Yさんに頼みました。署名用紙をもっと下さい」と、メールが来るようになりました。

 大領班は、大胆に訴えるとたくさん集めてくれる会員がいて、いっきに達成。

 苅田A班は、会員が経営している喫茶店で常連のみなさんに話して25人分を集め、近所訪問などで目標を達成。カンパも班会で訴え2万円を超えました。

 バイクであちこちの班会に駆けつけ、熱い思いを語る3人の子育て中のお母さんの奮闘は、みんなの心に火をつけました。 (新婦人大阪府本部平和部長・氏家マサ)

 核不拡散条約(NPT)再検討会議 NPTは米ロ英仏中の5カ国だけに核兵器保有を認め、ほかの国への核兵器拡散を禁止していますが、締約国は、核兵器廃絶にむけて誠実に交渉を行うことを義務づけられています。条約の運用を再検討するために5年ごとに開かれています。5月3日からニューヨークで開催されることしの再検討会議では、すべての核保有国が核兵器廃絶への現実的プロセスに参加することが求められています。


市民過半数へ離島回る

岡山・笠岡市

地図

 NPT再検討会議にむけ、岡山県笠岡市では、市長や市議会議長、商工会議所会頭など15氏が呼びかけた「なくそう核兵器」署名をとりくんでいます。1月には、「『なくそう核兵器』署名をすすめる市民の会」を結成、市民過半数(2万8000人)の署名をめざしています。日本共産党市議団は党派を超えた人々と、力を合わせています。

 「おばちゃん、署名して。核兵器を世界からなくしたいから」

 2月20日、日本共産党の樋之津(ひのつ)倫子市議と「市民の会」の9人が、市内の離島、真鍋島に渡り、「なくそう核兵器」署名をとりくみました。市職員労働組合や母親連絡会の人たちとともに、フラダンスサークルの4人が参加しました。

 久々の晴天で、日なたぼっこをしていたお年寄りたちも、そろって署名。うどん屋の主人も、「おれの一筆で、核兵器が無くせるんなら」と力を込めました。

 なかには「原爆に、おおとるからな」と、市原爆被爆者会から届いた署名を集めている男性もいました。

 島内全戸を訪問し、集まった署名は91人分。チャーターした渡船の船長は「島におる人の半分じゃ」といいます。

 「市民の会」は、県原水協の呼びかけに応えて、平和委員会や市職労、民主団体と樋之津、原田毅両党市議が昨年10月準備会を立ち上げ、発足させました。

 樋之津市議はお寺の住職、ロータリークラブの会長、名誉教授、漫画家など次々に訪ねて賛同を得ました。原田、樋之津両市議と県原水協事務局長、準備会代表の申し入れに、高木直矢市長は、父親が被爆者で、市の被爆者会の会長を務めたことなど語り、「賛同人の一人になりましょう」と応えました。

 準備会はこれに力を得て、漁協組合長や婦人協議会長、老人クラブ連合会長など100人以上に呼びかけ、市議24人のうち20人をふくむ91氏が賛同を寄せました。

 1月の「市民の会」スタート集会に参加した3人の女子中学生は、校長の協力を得て生徒会の役員、顧問の先生と相談し、全校生徒の前で署名を訴えました。

 町内会の役員が一軒一軒訪ねて集めてくれたりしています。「役員会があるからもっておいで」と200枚の署名を預かってくれたPTAの会長もいて、世界を動かそうと、草の根の運動が大きく広がっています。

 2月25日までに集まった署名は1万人を超えました。(岡山県・宮木義治)


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp