2010年3月1日(月)「しんぶん赤旗」

米五大湖汚染 一掃へ行動計画

オバマ政権 5年間で2000億円


 米国とカナダの国境に位置する「五大湖」が、深刻な環境破壊を受けていることに対し、オバマ米政権は汚染一掃に向けた行動計画に乗り出します。5カ年で22億ドル(約2千億円)以上をつぎ込むことになる巨大プロジェクト。米環境保護局(EPA)のジャクソン長官が2月21日、発表しました。

 五大湖(スペリオル、ミシガン、ヒューロン、エリー、オンタリオの各湖)は全世界の淡水の2割を占めています。約3千万人のアメリカ人が、五大湖からの水を飲料水として利用しています。

 しかし、沿岸は米国工業の中心地の一つで、有毒な廃棄物が流入。さらに農業廃水、外来種の侵入などによる生態系の破壊が問題になっていました。

 行動計画は2010〜14会計年度の5カ年で、▽汚染物質の除去▽外来種の駆除▽20万ヘクタール以上もの湿地の調査と回復―などの実施が柱になっています。

 ジャクソン長官は、今回の行動計画について「より良い五大湖を次の世代のために残す」と強調しました。

 オバマ大統領は昨年2月、五大湖対策で4億7500万ドル(約430億円)の予算を提案、昨年末に議会も承認しました。行動計画では、今後も同規模の予算継続を想定しています。

 このほかオバマ政権は、11会計年度予算で3億ドル(約270億円)の追加予算も求めています。(田中一郎)

地図


■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp