2010年2月26日(金)「しんぶん赤旗」
衆院本会議
高校無償化法案審議入り
宮本議員“さらなる拡充を”
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衆院本会議は25日、公立高校の授業料無料化などを柱とする高校無償化法案の趣旨説明と質疑を行い、日本共産党の宮本岳志議員が質問に立ちました。
宮本氏は、「高校教育無償化の方向が打ち出されたことは、国民の粘り強い運動の成果であり、当然のこと」としたうえで、いくつかの問題点を指摘しました。
宮本氏は、全体の3割を占める私立高校生については、1生徒あたり年額11万8800円(年収350万円以下は2倍)の補助にすぎず、私立高校の初年度納入金が平均71万円であることを考えれば、「差し引き約60万円ものお金を支払わなければならない」と指摘。また、同制度導入により「都道府県が行ってきた私学授業料減免予算を減額する動きが広がり、保護者負担軽減につながらない」事実を示しました。
川端達夫文科相は、「公私格差は縮小する」「(都道府県の)適切な対応を期待している」などと答えるにとどまりました。
宮本氏はまた、公立高校の無料化にしても、修学旅行費、通学費など、授業料以外に23万8000円の父母負担が残る事実をあげ、「貧困が広がるなか返還の必要のない給付制奨学金を創設すべきだ」と迫りました。川端文科相は、「給付制奨学金は大変重要な課題と認識。今後とも検討したい」と答えました。
政府は、財源として、所得税・住民税の特定扶養控除の18歳以下上乗せ部分を廃止する方針です。宮本氏が、「無償化の代償で増税の負担増を生み出してはならない」と質問。川端文科相は、「実際に家計に影響が生じる来年度末に向け必要な対策が行われるよう検討する」と答弁しました。
宮本氏は最後に、「教育に対する公的支出を世界水準まで引き上げ、高校無償化を私学へ広げ、大学の学費も段階的に無償化に向かうべきだ」と強調しました。
川端文科相は、「大学の授業料減免や奨学金の充実に取り組み、学費軽減に努める」と答えました。