2010年2月25日(木)「しんぶん赤旗」

派遣禁止に“大穴”

労政審が「改正」案を答申


 労働者派遣法の改正案要綱を検討してきた労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)は24日、「おおむね妥当と認める」(分科会)との報告を受け、長妻昭厚労相に答申しました。改正法案は3月上旬にも国会に提出される見通しです。

 法案要綱は17日、長妻厚労相が諮問。昨年末の労政審答申を踏襲した内容で、派遣労働者から「大きな抜け穴がある」と批判されながらも、修正することなく了承しました。

 法案要綱は、仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ登録型と製造業派遣を原則禁止とはいうものの、登録型は専門26業務、製造業への派遣は短期契約の更新を含む「常用雇用(常用型)」を例外として認めています。

 この日の部会では、労使双方の委員が改正後の対応を要望しました。

 小山正樹・JAM(機械金属産業の労組)副書記長は、「すべての労働者が安心して働けるのか、まだ不十分な点が多々ある」と指摘。今国会で改正させた後、さらに労働者を保護するための検討を求めました。

 市川隆治・全国中小企業団体中央会専務理事は、「製造派遣、登録型の原則禁止によって、十分な労働力を確保できなくなる可能性がある」と強調。派遣労働者を正社員に登用する場合の助成など予算措置を求めました。

 部会報告を受けた分科会で、連合の新谷信幸・総合労働局長は「(改正案で)派遣の問題がすべて解決するとは思えない」とのべました。



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