2010年2月24日(水)「しんぶん赤旗」
中南米の団結図るとき
統一首脳会議 メキシコで開幕
【プラヤデルカルメン(メキシコ)=菅原啓】米国抜きの自主的な地域機構の設立を論議する中南米・カリブ海統一首脳会議が22日、当地で開幕しました。会議には25人の国家元首をはじめ、32カ国の代表が出席。23日に諸文書を採択する予定です。
開会式では、ホスト国メキシコのカルデロン大統領が中南米・カリブ海地域の団結と新機構設立を呼びかけるあいさつを行いました。
大統領は、19世紀初頭から始まった中南米での独立闘争を振り返り、解放者ボリバルが中南米全体を一つの共和国のように統一する構想をもっていたことに言及。「他の国々や多くの逆境に直面しても、われわれが団結していた時は前進することができた」、「団結したアメリカ(中南米)というボリバルの理想は生き続けており、いまほど有効な時はない」と指摘しました。
米国抜きの新機構創設については、米国との関係悪化を懸念して、時期尚早と主張する国も存在しています。
カルデロン大統領は、こうした消極論も意識して、地域の諸国が現在直面している課題は「左派か右派かの問題でも、思想や主義の問題でもなく」、民主主義、公正、自由という価値が花開く未来を選び取るかどうかの問題だと強調。「中南米・カリブ海同盟によって国民が求める共同の未来を築こう」と訴えました。
ベネズエラのチャベス大統領は、昨年4月の米州サミットの際に、オバマ米大統領が「決して干渉しない」と語ったにもかかわらず、米国が中南米諸国の主権を侵害する行動をとっていることを厳しく批判。米国抜きの地域機構設立の重要性を力説すると同時に、「われわれは各国の主権を尊重する。米国を含め、各国の友人になりたいと思っている」と発言しました。