2010年2月24日(水)「しんぶん赤旗」

主張

「政治とカネ」追及

小沢氏の喚問を実現すべきだ


 国会は、鳩山由紀夫首相や小沢一郎民主党幹事長の「政治とカネ」問題をめぐり、自民党が衆院予算委員会などの審議を欠席する事態が続いています。

 民主党の国会運営が非民主的だからといって、審議をボイコットする自民党の態度は、まったく道理がありません。鳩山氏の偽装献金問題や小沢氏の土地購入資金事件は国政上の重大問題であり、小沢氏自身や現・元秘書らの証人喚問を実現し、国会での審議を通じて真相と政治的道義的責任を追及すべきです。

国会の責任果たすため

 民主党は、小沢氏らの証人喚問を拒否しています。しかし、国会議員にかかわる疑惑の真相を解明し、政治的道義的責任を明確にするのは国会の責任です。あくまで証人喚問を拒否し、真相解明と責任追及の道を閉ざすのは、国会としての責任を投げ捨てるものというほかありません。

 国会の政治倫理綱領は、「政治倫理の確立は、議会政治の根幹」と定めています。国会はいまこそその責任を果たすため、小沢氏らの証人喚問を実現し、「国会の権威と名誉を守り、議会制民主主義の健全な発展に資する」(政治倫理綱領)べきです。

 鳩山首相は先週末、国民に説明する必要があると、小沢氏にも話したといわれます。ところが当の小沢氏は「全国を回るのでその機会に疑問に答える」というだけです。国民に説明するなら国会という公の場でまず行うべきで、身内の集まりでは語るが、国会の証人喚問には応じないというのでは、真相解明に背を向けたものといわれても仕方がありません。鳩山首相も、小沢氏に証人喚問に応じるよう言うべきです。

 見過ごせないのは、小沢氏が22日の記者会見でも、「検察の強制捜査の対象となり、不正がないことが明らかになった」と、あくまで潔白だと主張していることです。検察の調査で明らかになったのは、現・元の秘書らが逮捕・起訴された政治資金収支報告書の虚偽記載での「共犯」容疑で、小沢氏はそれも「嫌疑不十分」で起訴されなかっただけで、潔白が証明されたわけではありません。

 小沢氏の資金管理団体の土地購入資金に公共事業を受注したゼネコンからの“税金の還流”があったのではないかなど、核心となる資金の出所をめぐっても、潔白どころか疑惑は深まる一方です。

 小沢氏が潔白だといいはるのはこの事実を偽るものです。小沢氏がこうした態度を取るなら、身内の集まりなどではなく、国会という公の場で、しかも事実に反した証言には偽証の罪もある「証人」として喚問し、説明を求めることがますます必要になります。

国民の世論にこたえよ

 最近の世論調査でも、小沢氏は国会の場で説明するべきかという質問に、「説明するべきだ」が81%、「その必要はない」が15%と、小沢氏の国会での証言を求める声が圧倒的です(「朝日」23日付)。

 鳩山政権は、自民党流の、旧来の政治を変えたいという国民世論に押されて誕生しました。その政権で首相と与党幹事長が「政治とカネ」の問題で追及を受け、自浄力も発揮できないというのは恥ずべき事態です。鳩山政権が国民の声にこたえるなら、いますぐ小沢氏の証人喚問に応じるべきです。



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