2010年2月21日(日)「しんぶん赤旗」
教科書 現場で採択を
東京でシンポ 現行制度は不透明
「子どもと教科書全国ネット21」が賛同人を広く呼びかけて開いた「教科書を考えるシンポジウム」が20日、東京都内で開かれ、約40人が参加しました。
同シンポジウムは、学校で使われる教科書の内容がどのような問題を含み、それをどう乗り越えていくかを話し合おうと7年前から開催されています。
20回目となる今回は、2009年の教科書採択で「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史・公民教科書が採択された東京、横浜からの報告をもとに、教科書採択のしくみの問題が話し合われました。
「つくる会」の教科書が採択された東京都立の中・高一貫校、横浜市の公立中学校、東京都杉並区の区立中学校ではいずれも、学校現場の意見が尊重されず、自治体の首長が思い通りに任命した教育委員の投票で一方的に採択が決められました。採択の議論が不透明で、採択理由も不明なところがありました。
「つくる会」の教科書が採択された地域に限らず、教科書の採択のしくみが現場の意見を排除できるようになってきたことが指摘されました。「教育委員は教育の専門家ではない。教科書の内容ではなく見た目などが重視される。このような採択を続けていくと、どの教科の教科書も悪くなっていく。それぞれの地域の子どもにふさわしい教科書を選ぶことができるのは誰よりも現場の教師」と確認しました。
民主党内に教育委員会の廃止の動きがあることにもふれ、「そもそもの教育委員会が果たすべき役割を広く知らせていく必要もある」と運動の方向を語り合いました。