2010年2月21日(日)「しんぶん赤旗」
世銀、南米諸国を評価
貧困層を支援
地域局長 “国家の役割回復”
【メキシコ市=菅原啓】エクアドル訪問中のカルロス・ハラミジョ世界銀行アンデス地域局長は18日、経済における国家の役割を強化し貧困層を支援する南米諸国の動きを高く評価しました。
エクアドル国営アンデス通信のインタビューに答えたもの。弱肉強食の新自由主義を広げ、国家の役割を最小限に抑えることを提唱してきた世銀の幹部の発言として注目されます。
同局長は、過去の経済危機では南米諸国は、豊かな国々の「風邪」の影響で大規模な倒産や失業の発生など「肺炎」になってしまったが、今回は影響を緩和することに成功していると指摘。具体的には、最貧層を保護し、インフラ整備への投資を進める政策が効果をあげていると語りました。
とくに、エクアドルについて、2007年発足のコレア政権下で「政府が(経済の)計画と調整の主体という役割を大きく回復した」点に着目し、低所得層に利益となるよう「経済の多様化と富の再分配」が進められていることを評価しました。
これまで世銀が融資にあたって、国営企業民営化や公共料金の引き上げなどさまざまな条件をつけ、新自由主義政策を強要してきたことに関して、ハラミジョ局長は「条件付けは、過去の問題だ」と答えました。