2010年2月21日(日)「しんぶん赤旗」
欧州核 米は撤去を
NATO5カ国要求へ
【ロンドン=小玉純一】北大西洋条約機構(NATO)に加盟するベルギー、ドイツ、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェーの5カ国が数週間以内に、米軍が欧州に配備する戦術核兵器の撤去をオバマ米大統領に求めます。ベルギー政府が19日、公表した声明で明らかにしました。
声明は、ベルギーのデハーネ、フェルホフスタット両元首相とミシェル元外相、クラースNATO元事務総長の4氏が同日、欧州からの核撤去を求める共同アピールを発表したのを受けたものです。
声明は4氏のアピールに言及し、「ベルギーは核兵器のない世界を支持する。5月にニューヨークで開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議の準備にあたりNATOでこの立場を主張する」と表明しました。
また「具体的進展はNATO加盟国との真剣な協調を通じ、軍縮交渉の進展を考慮してのみ可能となる」と指摘。「ベルギー政府は核兵器のない世界について米大統領の訴えがもたらした機会をとらえたい」と結んでいます。
米軍は欧州に約220発の核兵器を配備、イタリアとトルコにそれぞれ約90発、ベルギーとドイツにそれぞれ約20発あるといわれます。オランダにも少数が配備されているとされています。
4氏のアピールは、核兵器がもはや軍事的に役立たず、他国の核兵器獲得を促すだけだと強調。核兵器の欧州撤去はNPT再検討会議に向け極めて積極的な意思表示となると指摘しています。
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