2010年2月19日(金)「しんぶん赤旗」

沖縄 反発

嘉手納統合案 シュワブ陸上案

「基地たらい回しだ」

「被害さらに」「自公と同じ」


 沖縄県の米軍普天間基地の「移設」先として国民新党が挙げているキャンプ・シュワブ(同県名護市)陸上案について、鳩山由紀夫首相が「検討する価値がある」などと発言しました。発言は、名護市長選で示された「県内移設ノー」の民意をあからさまに否定するものです。県民から強い怒りと反発の声があがっています。(山本眞直)


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(写真)「県内移設反対が県民の総意。陸上案・統合案は絶対受け入れられない」と座り込みを続けるヘリ基地反対協議会のテント村=18日、名護市辺野古

 「名護市長選で新基地問題への関心は高く、今日も本土から学生がバスで訪れ、新基地建設問題についてしっかり学び、私たちと交流しています」と語るのは、名護市辺野古のテント村で連日、座り込む当山栄・沖縄平和市民連絡会事務局長。座り込みは18日で2132日を数えます。

 しかし、新基地問題をめぐる鳩山政権の対応に強い憤りを感じているといいます。同政権は、普天間基地を嘉手納基地(嘉手納町)に統合したり、キャンプ・シュワブの陸上部分に移設したりする案を検討しています。

 当山さんは「これは連立与党3党による県民の負担軽減のために米軍再編や基地のあり方を見直す、という合意に反している」と批判。「負担軽減は基地の面積だけでなく機能もなくさなければならない」「こんなことでは自公政権と同じだ」と言い切ります。

 辺野古に隣接し、いまでも米軍ヘリによる昼夜の区別のない爆音被害が襲う宜野座村松田区。当間嗣信区長は「政府は陸上案も統合案も基地内に移設するので県内移設にあたらないというへ理屈を用意するだろうが、明らかな基地の県内たらい回しだ。普天間基地は撤去するしかない」と語気を強めます。

 嘉手納基地への統合案について宮城篤実・嘉手納町長は17日、本紙の取材に「(米軍基地に伴う)県民負担の軽減を名目にした日米政府のSACO合意や(すでに進む)米軍再編にもかかわらず、離着陸は増え、爆音被害はさらに深刻化している。統合案は基地機能の強化、基地の固定化につながる」と絶対反対を表明しました。

 平和・市民団体や日本共産党などの政党でつくる「基地の県内移設に反対する県民会議」は16日、「普天間基地の『キャンプ・シュワブ陸上案』『嘉手納基地統合案』提案に抗議する緊急声明」を発表しました。

 緊急声明は「県民は辺野古現行案であれ、キャンプ・シュワブ案、嘉手納統合案であれ、これ以上県内での米軍基地のたらい回しに断固反対している」と指摘。「政府と一体で(米軍基地の県内たらい回しに)手を貸そうとする国民新党の動向に抗議」し、政府検討委員会による県内移設提案の「中止を要求する」としています。



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