2010年2月19日(金)「しんぶん赤旗」

人権規約の留保撤回を

教育無償化 宮本議員が求める


 日本共産党の宮本岳志議員は18日の衆院予算委員会で、高等教育・中等教育を段階的に無償化することを定めた国際人権規約の条項について、政府は早期に留保を撤回するよう求めました。

 日本は国際人権規約を1979年に批准しましたが、中等教育(中学・高校)と高等教育(大学など)への「無償教育の漸進的な導入」をうたった13条2の(b)(c)項については留保しています。批准した160カ国のうち現在、この部分を留保しているのは日本以外ではマダガスカルだけ。鳩山由紀夫首相は施政方針演説で留保撤回を「具体的な目標」にすると述べています。

 宮本氏は同問題をとりあげた昨年11月の質問に対し、川端達夫文科相や岡田克也外相が留保撤回を検討する方向だと答弁したのに、12月に国連に提出した政府報告は「『無償教育の漸進的な導入により』に拘束されない権利を留保している」と自公政権時代と同様の内容だと指摘。この食い違いについてただしました。

 岡田外相が「報告の内容は1998年8月から2009年4月時点のもの」などと答弁したのに対し、宮本氏は「報告では(新政権の方針に沿って)文言を変えた部分もある。それなのに教育費の無償化条項については変わっていない。この部分についても『留保を撤回する』とはっきり国連に伝えるべきだ」と強調しました。

 さらに、国際人権規約は即時無償化を求めているのではなく、「漸進的(段階的、徐々に)無償化」を目指していることを指摘して、「今国会中に必ず留保撤回をすべきだ」と迫りました。

 岡田外相は中等教育については「今国会中に予算が成立し、(高校教育実質無償化)法案が成立すればただちに撤回を表明することができる」と述べ、高等教育についても「精査して検討したい」と答えました。



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