2010年2月19日(金)「しんぶん赤旗」

義務教育無償 名ばかり

宮本議員 「就学援助充実こそ」


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(写真)質問する宮本岳志議員=18日、衆院予算委

 「中学校に弁当を持ってこれなくて昼休みになると教室を抜け出す生徒が増えている。こんな貧困に苦しむ実態はなくさなくてはいけない」―日本共産党の宮本岳志議員は18日の衆院予算委員会で、義務教育にかかる私費負担軽減のため就学援助制度の充実などに国が責任を果たすよう強く求めました。

 宮本氏は、憲法26条で「義務教育は、これを無償とする」とされているが、学用品や修学旅行費、学級費などの「学校教育費」が文部科学省の調査でも、公立小学校で年平均5万6020円、公立中学校で13万8044円もかかっていることを指摘。主要国では無償になっているこれら私的負担を軽減するようにただしました。

 川端達夫文科相は、経済的困難の家庭には就学援助制度があると制度の説明に終始しました。

 そこで宮本氏は、その保護者負担を救う「命綱」であるはずの就学援助制度が、切られようとしている実態を告発。多くの地方自治体が「準要保護者」認定基準を切り下げ、援助内容を後退させていること、その背景に2005年度から国庫補助を一般財源化した国の責任があることを追及しました。

 川端文科相は「実態を把握し就学援助が適正に行われるように市区町村を促したい」と述べました。

 宮本氏は、具体的に、大阪・泉佐野市では本来国庫負担が2分の1だったのに現在は国庫負担と地方交付税が13〜18%しか出ていない実態を示すとともに、国が621億円出せば、各市町村の財政力に左右されず、児童生徒の就学機会を保障することができると迫りました。

 菅直人財務相は「2010年度予算案で準要保護者へ配慮されるよう地方交付税を手厚くする」と述べました。

グラフ

 就学援助制度 経済的に就学困難と認められる義務教育を受ける子どもの保護者に支給される補助。生活保護を受けている「要保護者」と「準要保護者」が対象です。「準要保護者」は各市町村教委が基準を決定。国は「準要保護者」への補助を2005年度から廃止、地方自治体に一般財源化・税源移譲しています。08年の制度受給者は143万6131人。



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