
2010年2月16日(火)「しんぶん赤旗」
鳩山首相、昨年総選挙前
株売却、2万株4300万円相当
庶民の苦しみ よそに“不労所得”
ブリヂストン株350万株など大量の株式を保有している“株長者”の鳩山由紀夫首相が昨年もトヨタ自動車など4銘柄、約2万株を売却していたことが、15日までに分かりました。昨年11月には、2008年に東京電力、キリンビールなどの株10銘柄、計15万1190株を売って得た所得約7200万円を税務申告していなかったことが、発覚したばかり。庶民に痛みを押し付けておいて、“不労所得”の株取引で利益をあげているのは、いかがなものか―。
8日、公開された衆院議員の資産報告によると、首相は、昨年8月30日現在、ブリヂストンのほか、王子製紙1万5000株、東急電鉄3万株など、13銘柄、計379万6840株を所有していました。
このなかには、みずほフィナンシャルグループ7万2000株、東芝2万8000株、三井物産1万1000株など、09年に新たに取得した8銘柄、計16万9840株も入っています。
本紙の調べによると、今回の資産報告には、首相が05年までに取得したと資産報告していた株式のうち、トヨタ自動車3300株、JFEホールディングス5100株、長谷工コーポレーション7000株、ソニー5000株の4銘柄、計2万400株の記載がなく、昨年8月30日までに手放していたことが分かりました。
直前の8月28日に売却したとして、その終値で換算すると、「売却価格」は計約4370万円になります。
08年に10銘柄を売却、09年には8銘柄を取得、4銘柄を売却―。首相の株取引は活発です。政治家には、いろんな情報が集中し、株取引はインサイダー取引となる可能性もあり、自粛することが求められています。首相はなおさらです。
首相就任前 1.8億円引き出す
8日、公開された資産報告によると、鳩山首相は、当座および普通預金をのぞく「預金総額」を10億5670万円と記載しています。これは、総選挙の投開票のあった昨年8月30日時点のもの。
一方、昨年10月23日に公開した閣僚の資産公開によると、首相は「定期預金」を8億7670万円と報告しています。これは、首相就任時の9月16日時点のもの。
総選挙直後から首相に就任するまでのわずか約2週間の間に1億8000万円の定期預金を取り崩したことになります。
なぜ、預金を引き出したのか、何に使ったのか―など疑問が残ります。